色々な慢性疾患の治療
肝炎
○慢性C型肝炎について
慢性肝炎の原因の7割がC型肝炎で、2割がB型肝炎です。慢性C型肝炎はC型肝炎ウイルスの感染による疾患であり、日本における患者数は150万人と言われています。C型肝炎ウイルスの重要な点としては、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の患者の7から8割がC型肝炎ウイルスを持っていることです。感染経路については、血液を介して感染することが知られています。C型肝炎ウイルスの感染は輸血(30%)、入れ墨や覚醒剤注射(5~15%)、50%は原因不明です。C型肝炎ウイルスの肝臓以外の病変について、腎炎、肥大型心筋症、皮膚疾患などがある。
1)西洋医学的治療
1.インターフェロン
インターフェロンは抗ウイルス活性を有するポリペプタイドであり、白血球などで作られます。インターフェロンを作る細胞の違いによって、α、β、γの3種類があります。 インターフェロンの慢性C型肝炎に対する効果は30%に有効とされています。慢性C型肝炎と診断された患者さんは、インターフェロンの適応があれば、まずインターフェロン治療を受けるのが良いと思います。インターフェロンの副作用としては、発熱、全身倦怠感、うつ病、けいれん、知覚障害などがあります。
C型肝炎ウイルスのタイプについて(遺伝子型)、1a、1b、2a、2b型に分類される。インターフェロンの有効率は、1b型で低く、2a型で高い。
2、インターフェロンとリバビリン(抗ウイルス薬)併用療法
1型でウイルスの多いタイプは従来のインターフェロン療法では効果がよくなかったが、インターフェ ロンとリバビリン併用療法では、20%でウイルスが消失。従来のインターフェロン療法に比べて約3 倍の効果がある。
リバビリンの副作用:貧血、胎児や精子に影響を与える。リバビリン服用中は妊娠は避ける。
3、コンセンサスインターフェロン療法
ヒトの体内で作られる10数種類のインターフェロンの共通部分をもつように設計されて、人工的に作製されたインターフェロンである。従来のインターフェロンよりもより高い治療効果がある。
副作用:従来のインターフェロンと同じである。発熱、筋肉痛、関節痛などがある。
4、強力ミノファーゲンC
強力ミノファーゲンCはグリチルリチンが配合された注射製剤で、肝ひ護作用を有している。GOT、GPTなどを改善する効果があります。
5、ウルソ(ウルソサン)
ウルソは肝臓からの胆汁分泌を促進する薬剤ですが、慢性肝炎に有効であることが知られています。GOT、GPTなどを改善する効果があります。
2)漢方薬
慢性C型肝炎によく使用されるものとして、人参養栄湯、十全大補湯、小柴胡湯、補中益気湯、四逆散などがありますが、人参養栄湯がもっとも多く用いられていて、また効果の点で優れています。