漢方治療の目的と漢方薬について

漢方治療の目的は

1、手術後の体力回復と免疫力増強、
2、術後腸閉塞の予防、治療、
3、抗ガン剤の副作用を改善、
4、放射線治療後の副作用を改善、
5、がんを漢方で直接攻撃する、の5つと考えています。


  • 1、手術後の体力回復と免疫力増強
  • ガンの様々な症状(腫瘍による圧迫症状、出血など)を自覚したり、検診によって偶然にガンが発見された時、ガン治療のための病院を訪れ診察や検査によって、ガンと確定診断され、手術治療を受けることになります。手術は、どんなに小さなものでも、身体にとって大変な負担をかけるものです。全身麻酔をし、ガンを含む臓器を切除して生体に大きなダメージを与えます。術後の状態はほとんどの場合で、虚証に傾いていると考えられます。このような虚証を治す手段は、現代医学にはありません。虚証を治療する手段は、漢方にしか存在しないのです。術後はひどい気虚の状態か、気と血の両方が虚の状態になっているのが普通ですので、虚証を治す補中益気湯や、気と血の両方の虚を治す十全大補湯や人参養栄湯を投与することになります。 また、十全大補湯には、免疫力を増強する作用があります。この十全大補湯は、ガンの漢方治療の中で、最も多く用いられる漢方薬です。宋の時代(1151年)、宋の政府によって作られた薬剤の専門書である「太平恵民和剤局方」に記載された薬です。ちなみに、現在、日本で用いられている「日本薬局方」の名称の由来は「太平恵民和剤局方」がそのルーツです。十全大補湯は、白朮、茯苓、人参、甘草、当帰、川きゅう、芍薬、地黄、黄耆、桂皮から構成されています。白朮、茯苓、人参、甘草、黄耆は気を補う作用があり、当帰、川きゅう、芍薬、地黄は血を補う作用があります。桂皮は温める作用があり、これらを合わせて、気と血をともに補う薬効となります。

    術後の体力回復に十全大補湯、補中益気湯 人参養栄湯

    補中益気湯
    [要点]①食欲不振 ②手足倦怠 ③胃腸虚弱 [解説]虚証で元気が衰えて、食欲がない者に用いる。胃炎、慢性肝炎、病後の衰弱に用いる。補中益気湯を用いる適応は、①手足の倦怠感、②言葉に力がない、③眼に力がない、④口の中に白い泡沫がある、⑤食べ物の味がしない、⑥熱い物を好む、⑦臍に大動脈の拍動がある、⑧脈に力がない、の8つで、この中のうち1つか2つあれば用いることができます。ガンの術後や放射線治療の全身倦怠などに用います。 [構成生薬]人参4、白朮4、黄耆3、当帰3、陳皮2、大棗2、生姜2、柴胡2、甘草1.5、升麻1

    十全大補湯
    [要点]①気血両虚 ②疲れやすい ③悪性腫瘍 [解説]気と血の両方が虚して、疲れやすい、貧血、悪性腫瘍などのある時に用います。ガンの補剤として最も多くに用いられ、放射線治療後や、化学療法の副作用防止に広く用いられています。ガンの漢方治療で最も重要な薬です。実際のガンでは、十全大補湯に猪苓、紫根、よく苡仁、カワラタケ、藤瘤、菱の実などを加味して用いることがあります。[構成生薬]当帰3、川きゅう3、芍薬3、地黄3、黄耆3、白朮3、茯苓3、人参3、桂皮3、甘草1.5

    人参養栄湯
    [要点]①易疲労 ②食欲不振 ③貧血
    [解説]人参養栄湯は十全大補湯に陳皮、五味子、遠志を加え、川きゅうを抜いたものであり、気と血が虚していて、健忘などの症状が伴っている時に用います。十全大補湯とほぼ同様にガンの術後や、化学療法の副作用防止に広く用いられています。五味子に含まれるゴミシンAは、C型肝炎ウイルスの増殖を抑制する効果があります。[構成生薬]地黄4、当帰4、白朮4、茯苓4、人参3、桂皮2.5、遠志2、芍薬2、陳皮2、黄耆1.5、甘草1、五味子1

    [コラム]
    オウギ (黄耆)Astragali Radix 〔重要生薬〕 〔基原〕マメ科のキバナオウギAstragalus membranaceus Bunge又はナイモウオウギAstragalus mongholicus Bunge(Leguminosae)の根。中国河北、山西省、東北部、朝鮮半島に産する。 〔効能〕①強壮作用 ②利尿作用 ③止汗作用
    〔解説〕黄耆建中湯(強壮作用)、防已黄耆湯(利尿作用)、玉屏風散(止汗作用)に配合される。また、排膿作用もあり千金内托散などにに用いられます。皮膚を丈夫にする効果があり、アトピー性皮膚炎には、桂枝加黄耆湯としてに用いられます。黄耆は抗ガン剤療法の副作用を軽減し、ガン患者の延命効果が認められています。ガンに用いる代表的な補薬である十全大補湯に含まれています。 〔用量〕3~10gを用いる。


  • 2、術後腸閉塞の予防、治療

  • 腹部の開腹手術をすると腸の癒着が起こり、その結果として、腸閉塞が高率に起こってきます。腸閉塞の症状としては、腹痛、嘔吐、腹部膨満などが出現し、頻回の入院治療を余儀なくされます。これは、患者さんご本人にとっては、耐えがたい苦痛となります。ところが、最近では多くの大学病院、大病院などでは術後に大建中湯という漢方薬の予防的服用が多く行われています。この結果、腹部手術後の腸閉塞の発生がたいへん少なくなりました。外科医が漢方に対して認識を改めているという印象を最近ではよく感じます。と言いますのも、術後の様々なトラブルや困難な問題の解決のために、漢方医を紹介してくるケースがたいへん多くなってきています。現代医学的アプローチでは難しい問題も、漢方的に治療すると容易な場合が多く経験するのです。大建中湯の効能は、胃腸を温め、寒を除くことです。 大建中湯は、蜀椒、乾姜、人参、膠飴より構成されています。蜀椒は 、鰻の料理に付いてくる山椒のことで、胃腸を温め、気を下方に導き、痛みを止める作用があります。乾姜は、生姜を蒸して乾燥したもので、胃腸を温め、寒を去り、吐き気を止める作用があります。人参は気を補い、胃腸の働きを高める作用があります。膠飴は、胃腸を丈夫にし、痛みを止める作用があります。


    腹部手術後の腸閉塞予防に大建中湯

    大建中湯 [要点]①冷え症 ②腹痛 ③ガス [解説]虚証で冷え症の人の腸内にガスが溜まり腹痛のある者に用います。ガン手術後の腸閉塞に効果があります。 [構成生薬]蜀椒2、乾姜5、人参3、膠飴10 〔コラム〕 カンゾウ (甘草) Glycyrrhizae Radix 〔基原〕マメ科のGlycyrrhiza uralensis Fischer, Glycyrrhiza glabra Linne(Leguminosae)又はその他同属植物の根 〔効能〕①健胃作用 ②急性症状(急迫)を緩和する作用 ③諸薬を調和する作用〔解説〕補中益気湯(健胃作用)、甘草湯(急性の咽頭痛、胃痛、痔核)、芍薬甘草湯(こむらがえり)、桂枝湯(諸薬を調和)に配合されます。甘草は薬方の中で用いて、その薬方の激しい作用を緩和する効能があります。また、甘草8gを600ccで煎じて、口内炎、咽頭痛にうがい薬として用いると効果があります。甘草の主成分はグリチルリチンで、ステロイドホルモン様作用・抗アレルギー作用・抗潰瘍作用・免疫賦活作用・抗腫瘍作用などの作用を有しています。大量に用いたり偽アルドステロン症(血清カリウム値の減少、高血圧、むくみ)となることがあります。


  • 3、抗ガン剤の副作用を改善

  • 1、吐き気
    抗ガン剤のシスプラチン、エンドキサン、キロサイドなどは強い吐き気を引き起こすことが知られています。現代医学的治療はナウゼリンやプリンペランなどの制吐作用のある薬剤が用いられます。吐き気に対して、漢方薬はたいへん有効です。小半夏加茯苓湯、五苓散、六君子湯などがよく用いられます。小半夏加茯苓湯は、急性胃炎や妊娠悪阻(つわり)などの吐き気に用いられますが、抗ガン剤の吐き気に著効を呈します。小半夏加茯苓湯は半夏、生姜、茯苓から構成されています。半夏と生姜は、嘔気を止め、水毒を除き、茯苓は、水毒を除き胃を整える効果があります。 吐き気を改善する漢方薬 小半夏加茯苓湯-強い吐き気に冷やして服用します。 五苓散-吐き気、口渇、尿減少に用います。 六君子湯-胃もたれ、吐き気に用います。

    五苓散 要点]①口渇 ②尿減少 ③嘔吐 [解説]小児や成人の嘔吐下痢症などに用いる。頭痛、腎炎、帯状疱疹などに用いる。五苓散は、水毒を治療する効果がある。激しい嘔吐吐き気に用います。抗ガン剤の副作用の悪心嘔吐に効果があります。 [構成生薬]沢瀉5、白朮3、茯苓3、猪苓3、桂皮2 小半夏加茯苓湯 [要点]①吐き気 ②嘔吐  ③妊娠悪阻 [解説]小児や成人の嘔吐症に用います。妊娠悪阻や抗ガン剤の副作用など激しい吐き気嘔吐に用います。 [構成生薬]半夏6、生姜6、茯苓5
    [コラム]
    ビャクジュツ (白朮) Atractylodis Rhizoma 〔基原〕キク科(Compositae)のオケラAtractylodes japonica Koidzumi ex Kitamura又はオオバナオケラAtractylodes ovata De Candolleの根茎 〔効能〕①利尿作用 ②抗眩暈作用 〔解説〕防已黄耆湯、五苓散(利尿作用)、沢瀉湯(抗眩暈作用)に配合される。胃腸機能を改善し、食欲不振、下痢に効果がある。十全大補湯、補中益気湯、六君子湯に含まれています。主要成分としてアトラクチロン、アトラクチレノリド I, II, IIIが含まれています。薬理作用として、利尿作用、抗ストレス作用、血糖降下作用、血液凝固抑制作用 、肝障害抑制作用、抗潰瘍作用、抗炎症作用、免疫増強作用、抗腫瘍作用などが報告されています。アトラクチレノリドIは悪液質の症状を改善する効果が報告されています。 〔用量〕3~6gを用いる。

    2、下痢
     抗ガン剤は腸粘膜を障害するために、下痢を引き起こすことがあります。抗ガン剤の中で、MTX(メソトレキセート)、5FU、イリノテカン(トポテシン、カンプト)などは、下痢を引き起こすことが知られています。特に、イリノテカンによる下痢のために、治療を中断せざるを得ない場合があります。現代医学的治療では、タンナルビン、ビスマス、ロペミンなどがに用いられます。一方、漢方薬では、半夏瀉心湯や真武湯が下痢に効果があります。 下痢を改善する漢方薬 半夏瀉心湯-胃がつかえる下痢 真武湯-冷え、虚証の下痢

    半夏瀉心湯 [要点]①心窩部のつかえ ②悪心嘔吐 ③腹鳴 [解説]心窩部のつかえと悪心嘔吐、腹鳴、食欲不振のある者に用いる。胃炎、胃潰瘍、神経症に用いる。イリノテカンの副作用である下痢に著効を示します。イリノテカンの点滴静注の数日前から服用すると下痢を予防することができます。 [構成生薬]半夏4、黄ごん3、人参3、甘草3、大棗3、乾姜2、黄連1


    真武湯
    [要点]①冷え症 ②下痢 ③めまい [解説]冷え症で、下痢、めまいがあり脈は沈細のものに用いる。急性胃腸炎、腎炎に用いる。 [構成生薬]茯苓5、芍薬3、生姜3、白朮3、附子0.5
    〔コラム〕
    白花蛇舌草と半枝蓮
    白花蛇舌草と半枝蓮 は抗ガン作用ある漢方薬として併用して用いられます。
    白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう) 〔基原〕 アカネ科RubiaceaeのフタバムグラOldenlandia diffusa Roxbの全草である。 フタバムグラの仝草を乾燥したもの アカネ科 フタバムグラ属植物 〔効能〕清熱、解毒、利尿、消腫 〔解説〕免疫力増強作用があります。さまざまなガンに使用され、半枝蓮とともに用いられます。 〔用量〕10gを用います。
    半枝蓮 (はんしれん) 〔基原〕シソ科の半枝蓮Scutellaria barbataの全草を乾燥させたもの。 〔効能〕抗炎症作用、抗菌作用、止血作用 〔解説〕白花蛇舌草と半枝蓮の併用して様々なガンの治療に用いられます。 〔用量〕10gを用います。

    3、末梢神経障害  抗ガン剤の中には、神経に障害を引き起こすものがあり、ビンクリスチン(オンコビン)、シスプラチン、オキサリプラチン、タキソール、タキソテールなどが知られています。 症状としては、手足のしびれや疼痛が出現してきます。現代医学的治療では有効なものはほとんどありません。漢方薬では、オキサリプラチンによる末梢神経障害に対して、牛車腎気丸が有効であることが発見されました。牛車腎気丸はもともとは、糖尿病による神経障害に有効であることが知られていました。同じ神経障害ということで応用されたのです。
    抗ガン剤の末梢神経障害に牛車腎気丸
    牛車腎気丸(済生方) [要点]①腰痛 ②尿減少 ③浮腫 [解説]八味地黄丸に牛膝と車前子を加えたものです。腎虚で、下肢が腫れ、腰痛、尿の減少する者を治療できます。糖尿病の末梢神経障害に用いられ、オキサリプラチンによる末梢神経障害に対しても有効です。 [構成生薬]地黄5、山茱萸3、山薬3、牛膝3、沢瀉3、茯苓3、附子1、牡丹皮3、車前子2、桂皮1
    〔コラム〕
    WTTCについて WTTCは、藤瘤・菱実(ひしの実)・訶子(カシ、ミロバラン)・よく苡仁(ヨクイニン、はとむぎ)を組み合わせたものです。昭和30年頃に、千葉大学の中山恒明教授がガンに有効だと 発表して有名になり、現在も用いられています。WTTCという名は、藤瘤(Wisteria floribunda)・訶子(Terminalia chebula)・菱実(Trapa japonica)・よく苡仁(Coix lacyma-jobi)の学名の頭文字を合わせたものです。
    ①藤瘤(ふじこぶ)Wisteria floribunda 〔基原〕 本州、四国、九州の山地に自生する日本特産のマメ科のつる性落葉低木フジの樹皮にできる瘤を用いる。わが国の本州から四国、九州に分布しています 〔解説〕藤瘤のイソフラボノイドにガン抑制作用がある。
    ②詞子(かし)Terminalia chebula、 〔基原〕訶黎勒ともいう。シクンシ科植物ミロバランTerminalia chebula Retz. の果実である。雲南省に産する。 〔効能〕止痢、止血、止咳。 〔解説〕実験的に抗腫瘍作用があります。
    ③菱の実(ひしのみ)(Trapa japonica)、 〔基原〕日本全土、東アジアに広く分布するヒシ科の一年草、ヒシの果実を用いる。 〔効能〕滋養強壮、止痛、解毒作用がある。 〔解説〕抗ガン作用があると言われています。
    ④よく苡仁(よくいにん)Coix lacyma-jobi 〔基原〕イネ科植物ハトムギCoix lacryma-jobi L. var. ma-yuen (Roman)Stapfの種仁である。福建・河北・遼寧に産する。 〔効能〕下痢、浮腫、排膿の効能がある 〔解説〕マウスのEhr1ich腹水癌細胞に対し抑制作用がある。

    4、脱毛
    脱毛を来す抗ガン剤としては、アドリアシン、イホマイド、エトポシド(ラステット、ベプシド)が知られています。薬剤投与後の2週間位してから脱毛が起こります。十全大補湯をあらかじめ服用して抗ガン剤の治療を受けると脱毛が余り見られないことを経験しました。ある60歳台の肺ガンの患者さんですが、今まで数回抗ガン剤の化学療法を行って、毎回ひどい脱毛が生じていましたが、3週間前から十全大補湯をあらかじめ服用して化学療法を行ったところ、ほとんど脱毛が起こらなかったという経験があります。
    脱毛予防に十全大補湯

    〔コラム〕
    田七(三七)人参 Panax pseudoginseng 〔基原〕雲南省から広西省にかけて限られた地域にできるウコギ科の多年草、三七人参の根を用いる。 〔効能〕止血薬 〔解説〕慢性肝炎に効果があり、高脂血症、抗胃潰瘍作用、抗癌作用などがあります。田七を服用して、B型肝炎のウイルスが消失した例を経験したことがあります。〔用量〕1~3gを用いる。粉末として服用する。

    5、白血球減少、貧血
     骨髄は血液を作り出す身体の中の工場であり、盛んに細胞分裂がおこなわれています。。抗ガン剤は、細胞分裂を抑える作用があるため、骨髄の働きが抑制され血液を作り出すことができず、結果として白血球減少や貧血が起こってきます。現在、使用されている抗ガン剤には、ほとんどのものに、白血球減少、貧血、血小板減少などの副作用がみられます。現代医学的治療では、顆粒球コロニー刺激因子(グラン、ノイトロジン、ノイアップ)やマクロファージコロニー刺激因子(ロイコプロール)などにより白血球を増加させたり、エリスロポエチンの投与により、貧血の治療が行われます。漢方薬としては、十全大補湯には、白血球減少や血小板減少を抑える作用があることが知られています。化学療法前に十全大補湯を服用しておくと一定の予防効果があります。
    白血球減少、血小板減少の予防に十全大補湯


    〔コラム〕
    欝金(ウコン)Curcuma longa 〔基原〕ショウガ科のウコン 〔効能〕利胆、健胃 〔解説〕インド料理のカレーに使われる。ウコンの主要な成分は、クルクミン(curcumin)であり、抗炎症作用、抗酸化作用などの作用があり、ガンに対して効果がある。 〔用量〕3gを用いる。

    6、口内炎
      抗ガン剤の副作用として、口内炎もよく知られています。口内炎を引き起こす抗ガン剤としては、メソトレキセートや5FUなどがあります。抗ガン剤により、直接粘膜が障害されて口内炎が生ずる場合と、抗ガン剤による白血球減少により口腔内感染症により生ずることがあります。黄連解毒湯、半夏瀉心湯、六君子湯には口内炎に対して治療効果があります。また、外用として甘草湯でうがいをしたり、黄連解毒湯を直接口内炎に塗布するのも効果的です。
    口内炎には黄連解毒湯、半夏瀉心湯、六君子湯の内服
    (甘草湯、黄連解毒湯の外用も効果あり) 黄連解毒湯(外台秘要方) [要点]①のぼせる ②興奮傾向 ③顔色が赤く実証 [解説]実証に用い、胸中の熱の邪気を治療する薬方である。実証の胃潰瘍の疼痛に効果 がある。急性の鼻出血、吐血にも効果あり。 [構成生薬]黄連2、黄ごん3、黄柏2、梔子2


  • 4、放射線治療の副作用を改善

  • 放射線治療は全身の副作用と局所の副作用があり、全身の副作用としては疲れやすい、食欲がなくなる、貧血、白血球減少、血小板減少などの症状があります。局所の副作用としては、皮膚の発赤、色素沈着、びらん、口内炎などがあります。全身の副作用に対する漢方治療としては、十全大補湯、補中益気湯などを用います。局所の副作用には、口内炎などには、黄連解毒湯などを用います。 全身の副作用の漢方治療は、十全大補湯、補中益気湯 放射線による口内炎は、黄連解毒湯

    〔コラム〕 チョレイ (猪苓)Polyporus 〔基原〕サルノコシカケ科のチョレイマイタケPolyporus umbellatus Fries(Polyporaceae)の菌核 〔効能〕①利尿作用 〔解説〕五苓散、猪苓湯(利尿作用)に配合される。サルノコシカケ科のキノコの一種であり、抗ガン作用が認められています。様々なガン治療に配合されます。〔用量〕2~6gを用いる。


  • 5、ガンを漢方で直接攻撃する

  • ガンが早期に見つかった場合や実証で、体力や病気に対する抵抗力が充実した状態、病邪が盛んな状態の時には、病邪を攻撃する瀉剤を用います。古代の中国では、ガンに類似した腫瘤は、気、血、水の乱れから生ずると考えられてきました。気、血、水が乱れた状態であるお血、水毒、気滞などがガンの原因と考えられています。お血を治療するために駆お血剤(桃仁、牡丹皮など)を用いたり、水毒を治療するために利水剤(茯苓、猪苓など)を用いたり、気滞を治療するために理気剤(鳥薬、陳皮など)という気を巡らせる薬を用いて、直接にガンを攻撃します。しかしながら、漢方単独では、十分な効果を得られないこともあります。そのためにも、漢方をベースに、免疫療法、抗ガン剤治療、分子標的薬治療、放射線治療などを併用する組み合わせ療法が重要となってくるのです。